どのような評価がふさわしいのか

評価となると新人の先生を悩ませるもの。

梶田大先生の(2010)名著、『教育評価』から次の様なものを作成しました。

梶田叡一(2010)『教育評価』有斐閣、(p161-164)を参照に作成

一応、評価側面の説明

興味・関心:その教科が取り扱う対象や現象等に関する興味と関心

知識・理解:その教科に含まれる基本的事実や用語、法則性や原理等に関する知識と理解

思考力・論理力:その教科が取り扱う対象や現象の法則性や原理を探究するために必要とされる思考力や論理力

態度:その教科に関する基本的探求姿勢としての科学的態度や創造的態度

技能:その教科の学習に関して重要される技能

p164

「努力しろ」といってもね

日本では「努力」(または根性)を褒め称える傾向が強すぎると思う。

努力って、実はものすごいエネルギーがいるんだよね。

そして、その努力が評価される。この努力と評価の関係の中で「やる気」が生まれてくるんだよね。じゃどうするのか?

この本が名著です

もともとは1993年に書かれたものだけど、今でも普通に使えます。(というか急に高くなった・・・)日本語もありますよ。日本語は下のように強烈なタイトル。

昨日、新しい学力観について記事を書いたけど、この学力観が重要視する「意欲」ってどうやって保つんだろう?

そのヒントが、この本に書かれています。後は↓のnoteをご参考に。

「新しい学力観」とは何だったんだろうか?

そもそも「新しい学力観」とは何なのでしょうか?

「新しい学力観」という言葉は、今となっては手垢のついたものになってしまった感がありますけど。

でも、一体全体、その単語はいつ、どのように作られたのかしっていますか?ちょっと探ってみましょう。

ちなみに、こういうのに興味がある人は教育社会学という分野です。もっというと、こういう「概念の生成」を探る研究はフランスの哲学者ミッシェル・フーコーが『知の考古学』と読んでいるモノだよ。興味があったらぜひ!

さてさて、「新しい学習観」という言葉が誕生したのは1991年の3月だとされている。その経緯はこんな感じ。

1980年代 学校で問題多発。学生のストレスで校内荒れる。(とされる・・・)詳細は苅谷先生の本など

1980年代 中教審臨時教育委員会で議論。

1990年12月 高等学校の多様化問題などについての第14期中教審会審議経過報告で「今までの教育ではだめだ」的な議論になる。例えば、有名私大から東京大学への進学を狭めろ、など。

1991年3月13日、 文部省の指導要録改善調査研究協力者会 議 (主査・ 奥 田真丈東京都立教育研究所長)が 小 ・中学 校 指導要録改訂の審議のまとめを提出。その解説書の中で「新しい学力観」という言葉が使われる

1991年3月 文科省の雑誌『初等教育資料』の「今月の言葉」で「新しい学力観」が紹介される。

結論から言って、「新しい学力観」とは1991年の改訂指導要録の解説でも明らかにされているが「観点別評価」、すなわち、「知識」・「技能」の評価だけじゃなくもっと見えないところも評価しよう、ということ。

つまり、教育内容の基礎・基本の考え方を根本的に転換し、さらに「関心・意欲・態度」などの視点を取り入れることなんです。

「学び」を学ぼうとする「意欲」や「関心」から「思考」や「判断」そして「知識」・「理解」へと昇っていくプロセスを重視するようになったんですね。

「何を学ぶ」から「どのように学ぶ」かへ。

それが「新しい学力観」なのでした。

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追記:しかし、「観点別評価」というのは曖昧で難しく、さらに教える内容も増えていて教育現場が混乱したという悲劇が待ち受けているのを知るよしもありませんでした・・・

どうのように対話を引き出すのか

年間を通じて可能な限り毎月実施してきました、校内研修も最後となりました。

「主体的で」「対話型」の授業と簡単に言いますが、実は結構難しかったりします。そこで、今回の研修では基礎理論からじっくりと学び、誰でも出来るように実践志向の研修を実施してきました。

生物は暗記分野と長い時代言われてきて、それはちょっと悔しくて、一也先生のtalentではそういったモヤモヤからの脱出をきちんとした言葉や体験、研究を通して示してくださったので・・・大変為になりました。

某若手教師から

めっちゃ嬉しいですね。13名の将来を嘱望される先生を対象に行ってきた校内研修ですが、こんなコメントもらえるなんて講師冥利に尽きます。

実は、工学院大学附属中学校高等学校の髙橋としては最後の研修となります。

4月からはplayfulquestとして日本全国の学校、企業、教育委員会様をクライアントとして研修をお届けする予定です!

ご興味がありましたら是非お声がけください。