才能があるってどういうことだろうか

2019年の日本医科大学が興味深い入試問題を出している。

「才能」って何ですか?

教育業界にも「才能」って言葉が溢れていて、異才、天才、などなど、枚挙にいとまが無い。

海外だとGiftedクラスやTalentedクラスというものある。そしてその多くは10代の若さで海外の名門大学で博士号を取得している。

是に近いものは千葉大学が「飛び級制度」早くから取り入れた飛び級制度だろう。

しかし、私たちがこの「才能」という言葉を「学業面での成功」という狭義の意味でしか捉えていないのではないだろうか?

「才能」、おそらくここには単純に勉強が出来るとかそれ以上のもっと深い何かがあるような気がするなー。

だからこそこれからの教育では子供たちの持つ「才能」をもっと引っ張り出すお手伝いをしていかなければならないんでしょうね!

ちなみに新しい学習指導要領ではこんな風になっていますよー。

参考

21年 中学入試面白問題(男子校編)

2月1日の風物詩と都内の中学入試。(全国ではありません・・・スイマセン)

教科書を全て暗記して解かなければならい問題ばかりかと思いきや、日常生活の中で疑問を持ち続ける大切さを訴える問題も見受けられます。

特に、ここ数年で学校のカラーを前面に押し出した問題が増えて来ているような気がします。

(ここでは自分のメモ用に)特に面白いと感じた問題をピックアップしてみました。

麻布中学 

理科

なぜ電子レンジはコンセントなのか?

社会 

カット野菜が増えて来た理由は?

武蔵 

理科 カモを観査せよ。カモはどのように泳ぐのか?

早稲田スポーツ科学のユニーク小論文

2018年の「じゃんけん」小論文問題が突如twitter上でバズりました。

それまではある程度まとまった文章、部活の問題、女性アスリートの問題、などなど真面目な(今でも真面目ですが・・・)トピックだったのですが、2018を境にワセダらしさ全開の問題に変容しました。

では、そのユニークな小論文の問題を2018年から見てみましょう。

2018年 新しいじゃんけんをつくりなさい。

2019年 大人になるとなぜかくれんぼうをしなくなるのか

2020年 「科学とは疑うことである」という書き出しの論文を書け

昨日投稿した、大阪大学の英作文にも似ている

2021年 このパイチャートの意味はなにか?

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参考

「子どもー大人」は他にもよく出題されている。

例えば、2016年の旭川医科大学

原典はこちら

この「子ども−大人」議論で重要な本はこちら

学習観を問う英作文

大阪大学の入試問題が面白い!

これは業界の方だったら既に知っているのだが、入試問題にも関わらずかなりポジティブで、受験生の人生体験を語らせる問題が出されている。

ということで、過去10年の英作文(第3問)の変遷を見てみましょう!

2010年 子どもにどのような「背中」を見せるべきでないか

こういうのは教育理論で攻めると難しいので、こういった子育て系の知識も必要だったりします。(↓が本当に「教育学」的にいいのか別として)

2011年 mottainaiを説明せよ

2012年 もっとも誇りを持ったことは何か?

2013年 タイムマシンを使ってみたいか?
2014年 他人は自分のことを分かってくれない
2015年 これからの社会が直面する困難とは
2016年 知識をもつということはどんな力を持つことか?
2017年 お父さんの勉強の意味について語る

2018年 失敗から学んだ事例について

こちらも参考にどうぞ(画像をクリックするとnoteにとびます。)

2019年 諦めなければ道は開ける?

2020年 キャッシュレス社会について

2021年 モチベーションの維持とスランプ克服方法

英語が流暢なだけでは国際的とは言えない?

21年 慶應義塾大学文学部 英語

数日前に実施された、慶應義塾大学文学部(21年)の英語の入試問題で、最後の英作文がかなり文学部らしいアロニーを込めたものだった。

恐らく近年の4技能、特にスピーキング重視の英語教育に対する強烈なボディーブローのような問である。

賛否両論があると思うのですけど、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

賛成派

企業経験者や子育て系が多いような

反対派

大学の先生系が多い感じ。。。特に鳥飼先生・・・

赤ちゃん、ハイハイを学ぶ

教員生活をもうかれこれ10年以上しているので、

「どうすれば難関大に合格できますか」

ということを頻繁に聞かれます。私は、

「受験はただのゲームです」

といつも答えるようにしています。

なぜなら大学に入るまでの勉強は

大体パターンが決まっていて、

それを愚直に繰り返すだけである程度は

伸ばすことは可能です。

そして、日・米・蘭の大学院で学んだ経験上、

そして日本では所謂「偏差値の高い高校」の

卒業生に数多く出会ってきた。

中高時代いくら成績が良くても、

大学に入った途端にパッとしなくなる人は多いようです。

それはなぜでしょうか?

そもそも中高と大学の「学びのルール」が異なるからです。

そして、もう1つ。

自分の「学び方の特性」を分かっていないから。

逆に、自分の学び方を分かっている人ほど、

大学の学びがハマります。

このことは学校での学びよりも、

学校外での学びで顕著になるようです。

人の知性は様々

ハーバード大学教育大学院教授、H・ガードナー先生の

(超)有名な理論、多重性知能理論によると、

「人の知性は多様である」とされている。

(*近年はさらに種類が増えたり・・・それは割愛します。)

先生のよると、人の知性は大きく

以下のような知性に分けられるそうです。

このなかで「学校のテストで評価できている項目」はどれでしょうか?

そう、「ことば」の項目だけなのですね。

つまり、

学校という教育現場では授業をちゃんと聞き、

テストで記憶をあますことなく再生できる

子供ほど優秀とされるです。

これはどういうことかというと、

先ほどのtwitterとも関連していますが、

早くから子供の言語力を伸ばすことの出来る環境にあれば、

自ずと学校での成績は良くなる、ということになります。

じゃ、それでいいじゃん、先取り学習最高!

とならないのが、学びの世界。

ガードナー先生も言っているように

「学び」は様々な知性の組み合わせであり、

「言語能力」だけでは不十分なのです。


赤ちゃんでさえ学び方が異なる

ニューヨーク大学のカレン・アドルフ教授は、

乳児の年齢、体格、経験がハイハイの発達に

及ぼす影響を、初めてハイハイをしようとした

時から歩行を始めるまでの28人の乳児を

縦断的に観察して調査しました。

すると、ほとんどの乳児が歩行に至るまでに

複数の這い這いの姿勢をとるようになりましたが,

その発達は段階的な進行に沿ったものではなかったのでした。

つまり、28人の赤ちゃんでさえハイハイの学び方

多様であることが示されたのです。

ガードナー教授の多重知能理論にしかり、

アドルフ教授の赤ちゃんの研究にしかり、

人の「学び」には様々なパターンがあることが示されています。

赤ちゃん関係で有名なのはこちら↓

自分のことをすこし振り返ってみよう

「こうすれば絶対に・・・大に合格」
「家族全員東大に入れた・・・」

というノウハウ本が書店には溢れています。

そして、キャッチーなタイトルが

子育て・教育への万能薬感を醸し出しています。

しかし、人の成長に唯一の成功パターン

専門用語では「経路の原理」(Pathways principle) 

というのは存在しません。残念ながら。

人は多様な知性と持てる様々能力をフル活用して

学んで成長しているのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

それには自分の得意なパターンを見つめることが重要です。

上手くいったのはどんなときですか?

やってて楽しいと感じた時はどんなときですか?

自分で振り返ってみるのもいいですし、

仲の良い友人に「どんなときに楽しそうに学んでいたのか」

聞いてみるといいでしょう。

学ぶのが楽しい

そう感じたときにあなたの知性・能力は最大限に

発揮されているのです。

人のやり方を真似るのではなく、

そして、義務のよう学ばされているのではなく、

みなさんが「学んでいて楽しい」と感じられる瞬間を

見つけられるといいですね。

こちらもよろしくお願いします!

https://note.com/playfulquest